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「福利厚生」の現状と傾向

福利厚生の予算削減が進んでおり、状況の厳しさは変わらず

1)企業は厳しい経営環境に置かれている

  1. (1) 新興国の急速な経済発展による、グローバル競争への対応力不足
  2. (2) 成果主義、時価主義(終身雇用制度の終焉)による、日本型経営の良さの喪失
  3. (3) 急速な少子化・高齢化による、(優秀な)労働力の減少

上記のような環境が企業の福利厚生にも影響している。

2)福利厚生費はコスト削減の対象になっている

「2008年度福利厚生費調査」(社団法人日本経済団体連合会)より

  1. (1) 福利厚生費総額(法定福利費と法定外福利費の合計)が2年連続で減少し 、
      10万3311円/月1名(対前年0.6%減)。
  2. (2) 法定福利費と法定外福利費の構成比は73.2%:26.8%で、法定福利費の占める比率が
      過去最高。法定福利費が毎年徐々に増加する傾向。

「2008年度福利厚生費調査」(社団法人日本経済団体連合会)のデータからも明らかなように、福利厚生費総額は2年連続で減少しており、コスト削減の対象となっていることがわかる。また、法定福利費の占める割合が年々伸びており、今後も法定外福利費を圧迫していく可能性が高い。その影響が、企業が任意で行う福利厚生サービスに及ぶことが危惧される。

予算削減の中、新たな動きも出てきた

予算削減の波を受けて、企業は福利厚生に多額の費用を投じることが難しくなっている。コスト抑制のために福利厚生施策を見直したり、休止したりするケースもある。加えて、人事・総務部門の中で、福利厚生業務を担当する人員が少なくなっている面もある。ただ、企業の福利厚生には新たな役割が求められており、景気が上向けば、福利厚生を充実させる動きが活発化する可能性は大いにある。

ここで、いくつかの新たな動きを紹介する。まず、成果主義の反動として、心の健康を損ない、休職する従業員が増加し、企業でメンタルヘルス対策が早急に取り組むべきテーマとなっている。また、職場そのものの活気がない企業も増えており、コミュニケーションの活発化を目的とした福利厚生が求められている。独身寮や社員旅行、運動会などが復活したり、職場での「飲みニケーション」を応援する、飲食店の割引サービスが福利厚生メニューに加えられたりしているのもその影響だ。

また最近では、福利厚生でより独自色を出したいという企業が増えつつある。最近の企業の課題を見ると、人材育成、雇用、女性活用、高齢者活用、非正規社員への対応など、従業員との関係性について考え直す必要があるものが多い。そのため、会社としてのスタンスを示していくために、福利厚生を利用したいといった思惑があるようだ。

予算の削減、福利厚生担当の人員の減少、新たな施策のニーズ…。こうした福利厚生を取り巻く環境は、アウトソーシング化を促進させることにもつながる。外部の専門の福利厚生会社に依頼することにより、コストやマンパワーの削減、新たなメニューの導入等の実現が可能になる。

アイコン 「ユニークな福利厚生施策」

一般的に、資金面や施設面で大企業に劣る中小企業が、大企業並みに福利厚生施策を充実させることは難しい。しかし、限られた予算のなかで従業員のニーズに合い、満足感が得られる施策を行うことは可能である。その方法の1つとして、カフェテリアプランがある。多様なメニューのなかから自分に合ったものを選ぶ、という考え方である。

ここではそうではなく、従業員のニーズを掘り出し、どうしたら彼ら・彼女たちがモチベーションを持つことができるのか、自社独自の福利厚生施策を作り出していくことを考えてみたい。知名度で劣る中小企業やベンチャー企業は採用等において、苦戦を強いられている。そこで、自社独自のユニークな福利厚生施策を打ち出し、採用と定着に成果を出している企業も少なくない。

例えば、「デート支援金」を支給するA社では、従業員が恋人などと旅行する場合、本人の旅費の一部を会社が補助する。というのもA社の従業員は平均年齢が20代前半と若く、頻繁に旅行する資金もない。そこで、会社が旅費を補助することで、仕事以外の刺激を受ける機会を増やし、さらに本人のやる気を醸成させることを目指しているのだ。

失恋したときの有給制度「失恋休暇」、バーゲンに出かけるための有給「バーゲン半休」というユニークな制度を打ち出したのがB社。失恋休暇は年1回、年齢に応じて1~3日の有給が取得できるというもの。取得時には「失恋した」と自己申告すればいいとのことだ。そのユニークな制度を採用する社風に引かれて入社した従業員もいるという。バーゲン半休も、バーゲン初日に心おきなく買い物ができるとあって、従業員から好評だ。また、ショッピングを満喫できれば、気分転換だけでなく、マーケティングなどの仕事にも役立つことだろう。

このほかにも、恋人や家族など愛する人の誕生日に有給となる「Love休暇」、年に2回映画鑑賞のために取れる半日の有給「映画半休」、3年に1回、自分の好きなことを学ぶために1ヵ月の有給を付与する「学び休暇」など、企業の正社員採用が拡大するなか、中小企業やベンチャー企業ではユニークな福利厚生制度を充実させ、採用面での不利を補う工夫を行っている。このように、重点的・効率的に施策を行うのがポイントだ。

さらに最近では、「運動会」や「社員旅行」を復活させるケースも出てきている。成果主義の導入で社内の人間関係がギクシャクしたため、催し物を通じて、従業員間の仲間意識や一体感を醸成しようとしているわけだ。

『日本の人事部』人事マネジメント「解体新書」
第八回:新しい時代における「福利厚生」のあり方 より抜粋

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