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かとく
[カトク]

「かとく」とは、「過重労働撲滅特別対策班」の通称です。悪質な長時間労働など、労働基準関係法令に違反、または違反する疑いがある大規模事案、困難事案に対応するための専従組織として、2015年4月に、厚生労働省によって東京労働局と大阪労働局に新設されました。「かとく」の構成メンバーは全員、事業所に立ち入って調査・指導や摘発を行う労働基準監督官で、特別司法警察職員として違法な事業者を検察庁に送検する権限も持ち合わせています。同年7月、靴の小売店チェーン運営会社が従業員に不適切な残業をさせていたとして、同社と役員・店長の二人を労働基準法違反で書類送検したことにより、「かとく」の存在が世間に広く知られるようになりました。
(2015/8/19掲載)

かとくのケーススタディ

広域の視点から大企業の過重労働にメス
労働Gメンの精鋭をそろえた専従チーム

全国展開する靴販売大手のABCマート(東京都・渋谷区)が従業員四人に、不適切な形で月100時間前後の時間外労働をさせていたとして、東京労働局は2015年7月、同社と同社の役員・店長二人を労働基準法違反の疑いで書類送検しました。同労働局によると、ABCマートでは2014年の4月〜5月の1ヵ月に、「Grand Stage池袋店」において、いわゆる36協定の協定書を労基署に出さないまま、従業員二人にそれぞれ97時間、112時間の残業をさせていました。また「ABC-MART原宿店」では、労使協定で定めた残業限度時間(月79時間)を超えて、従業員二人にそれぞれ98時間、109時間の残業をさせていました。いずれの店舗でも残業代は支払われていたものの、事案自体は明らかに違法であり、本社の監督責任は免れないとして、運営会社および役員の送検という異例の事態にいたったものです。

この一件は、2015年4月に厚生労働省が東京労働局に新設した「かとく」――正式名称・過重労働撲滅特別対策班が初めて摘発した事案としても、注目を集めました。

2014年11月に同省が「過重労働撲滅キャンペーン」を展開し、4561ヵ所の事業所を調査したところ、過半数におよぶ2304の事業所で違法な時間外労働が発覚しました。この結果を受け、いわゆるブラック企業に対する監督・指導・捜査を強化する一環として、東京労働局と大阪労働局に新設されたのが「かとく」です。

違法な長時間労働を強いる企業への対応は各地の労働基準監督署でも行っていますが、その中で「かとく」が担当するのは、(1)監督・指導において事実関係の確認・調査が広範囲におよぶ事案、(2)司法事件で捜査対象が多岐にわたる事案、(3)被疑事実の立証に高度な捜査技術を要する事案――に対する積極的かつ効率的な取り締まりです。ABCマートのケースでも、「かとく」が書類送検に踏み切った背景には、以前から全国の複数の労基署が個別に是正を勧告しており、その上で本社にも是正勧告を行ったものの、いっこうに過重労働が改善されなかった、という経緯がありました。全国展開する大企業への監督・指導・捜査においては、行政機関にありがちな地域ごとのタテ割りが壁になりかねません。各労基署の管轄エリアを超えた広域の視点をもって、複雑な大規模事案への対応に専従することが「かとく」の使命なのです。

2015年現在、「かとく」の所属メンバーは東京に八人、大阪に七人。いずれも監督官歴10年以上のベテラン揃い。パソコンのデータを解析して不正を隠すための改ざんを見抜いたり、削除されたデータを復元したりする証拠収集技術「デジタル・フォレンジック」に詳しいメンバーもおり、豊かな経験と高度な捜査スキルを備えた陣容が敷かれています。

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