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カフェテリアプラン
[カフェテリアプラン]

cafeteria plan。カフェテリアで好きな飲み物や料理を選ぶように、社員が会社から事前に与えられた一定のポイント(予算)の範囲内で、住宅、医療、介護、育児、自己啓発、リフレッシュなどの中から、自分の好みにあった福利厚生メニューを自由に選んで利用する「選択型福利厚生制度」のことです。1980年代に米国で広まりましたが、日本でも従業員の多様なニーズへの対応などを目的に、導入する企業が増えています。

カフェテリアプランのケーススタディ

様々な福利厚生メニューから<br />社員が自分で選んで利用する

日本では健康保険や社会保険が法定福利厚生費で完備されており、カフェテリアプランは法定外福利厚生費の範囲内で実施されています。最初に導入したのは通信教育大手のベネッセコーポレーションで1995年のことでした。厚生労働省が従業員数30人以上の企業約5300社を対象に行った「就労条件総合調査」(2003年2月集計)によると、カフェテリアプランを導入済みの企業は全体の1.2%と多くはありませんでしたが、従業員数1000人以上の企業で見ると、3.2%が導入済みで、24.8%が導入を検討しています。

家電大手の松下電器産業は今年7月、パナソニックモバイルコミュニケーション(旧松下通信工業)、松下電子部品など主要子会社を含む7万8000人を対象にカフェテリアプランを実施しました。会社が年間8万円を補助(来年7月から10万円に拡大)、社員は800ポイント(1ポイント=100円)を与えられ、住宅費補助、介護施設利用、人間ドッグ受診など22種類のメニューから必要な項目を選択する仕組みです。導入した理由について、同社広報では、

「ライフスタイルが多様化している現在、選択肢の少ない旧態依然の福利厚生制度では、社員は満足できないはずです。個々の社員のニーズに対応するためには、幅広い福利厚生制度が必要と考えました」 と説明しています。

また読売新聞によると、2002年6月に導入した大手ガラスメーカーの旭硝子の場合は、社員に年間1200ポイント(社宅・寮利用者は1000ポイント)が与えられ、1ポイント=100円として、本人が負担した金額の半分を上限に会社が支援するシステムになっています。当初のメニューは8分野24種類で、従来の福利厚生では含まれていなかった育児や介護分野なども新たに加わりました。

同社の導入後の1年間の導入実績を見てみると、全社でポイントの74.3%が利用されました。最も人気があったのは、財形住宅貯蓄支援(28.6%)で、以下、旅行・宿泊費支援(21.2%)、財形住宅・住宅金融公庫融資の利息支援(15.6%)の順でした。

企業がカフェテリアプランを導入するメリットとしては、(1)限られた予算内で従業員の多様なニーズに効率的に対応できる(2)従業員の福利厚生に関する関心が向上する(3)コストを抑えつつ新しいメニューを追加できる(4)社員の採用時に宣伝効果がある、などが挙げられます。しかし、その一方で(5)運用システムの管理に手間と費用がかかる(6)税制面での対応が遅れている、など課題も少なくありません。最近ではアウトソーシングも盛んになり、さまざまなメニューを提案・用意したり、ポイント管理システムなどを請け負う専門業者が増えつつあります。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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