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「給与のデジタル払い」についてもう一歩踏み込んで考えてみる

2023-07-11 テーマ: 給与のデジタル払い

給与のデジタル払い、導入するとどうなるのか?

前回の記事で給与のデジタル払いの概要やメリット・デメリットについてコラムを書かせていただきましたが、Payment Technologyとしての最初の記事ということもあり、入門編というイメージで作成しました。

https://jinjibu.jp/spcl/sp0009548/cl/detl/4662/

 

2023年7月現在、インターネットメディアやソーシャルメディアなどでも多数の記事があり、特に給与のデジタル払いが解禁された2023年4月においては、人事系サービスの企業様や社労士の方々も関連するニュースやセミナー、コラムなどを発信されていた状況です。
ただ、多くの記事のニュアンスとしては、まだ制度が始まって間もないことと、実際の企業の導入事例がないことから、メリットデメリットを列挙しつつも「様子見」しておいたほうがよさそう、という論調にとどまっていたのではないかと思います。

 

専門家の方々やアンケートなどで一定のニーズは想像できるかもしれませんが、実際の検討企業やその従業員の声はまだほとんどメディアには出てきません。

そこで、具体的に給与を受け取る従業員がどう思っているのか?そして生活にどのような変化があるのか、といった観点でまとめてみたいと思います。


 

給与のデジタル払いでリアルに変わること

第一に、まず従業員側で変わるのが「デジタルマネーで享受できるメリットを再認識する」ということ。これは給与で考えると様々なケースが考えられるため、シンプルに子供の時のおこづかいに置き換えるとわかりやすいと思います。
 

毎週、現金で1000円のお小遣いをもらっていた太郎くんがいたとします。ある日親御さんにこう言われました。「来週から出張も多くなるからお父さんからはpaypayで500円、お母さんから現金500円を渡すね」と。
次の週、paypayで500円、現金で500円のおこづかいをもらいました。太郎くんはコンビニで飲み物を買う時、paypayで払ってみました。すると、偶然キャンペーンに当選し、他の飲み物をもらえました。「現金で買うよりくじ引きとかあって楽しそう!プレゼントももらえたりするのか!現金の時は何ももらえなかったのになぁ。」
 

太郎くんは一つの体験で、デジタルマネーで決済した方がおトクだ、という体験をしました。そうすると、全額paypayでもらったらどうなるんだろう?毎回くじ引きとかできたりするのかな?など想像したりします。しかし実際は現金でしか決済できない場所もありますし、それを学んでいくことで、「飲み物はコンビニだとpaypayで買った方がよさそう。友達とお菓子を食べる時は、全員で分けるから現金だとお金が出しやすいかな」などの感覚がついてくると思います。

これは、デジタルマネー導入によって、何をどのように使ったら良いか、考えるきっかけになるお話だと思います。(太郎くんのお話はあくまでもフィクションです)

 

私たちの給与でも同じようなことが起こるのではないかと思います。

今まで積極的に調べてこなかったデジタルマネー関連のキャンペーンやメリットなどについて、自分に合った最適なデジタルマネー活用方法について、真剣に考える時がやってくると思います。

 

第二に、「給与は最初から複数箇所に振り分けるのが当たり前になる」ということです。従来の銀行口座とデジタル払いの両方を活用していく時点で、すでに複数に分けていることになります。もちろん、給与口座1つで全て受け取ってからほかの複数口座に自分で振り分け/振り込んでもいいですが、ポイントは上記の例のようにそれを自分自身でメリットを考えて積極的に設計するようになる、ということ。

デジタルマネーの他に、

・証券口座(MRF)にこのくらい入れて運用しよう

・楽天市場での買い物をよくするので、給与メイン口座はポイントがもらえる楽天銀行にしよう

・住宅ローン返済は業者指定の○○銀行なら年利がおトクになるから○○銀行にしよう

など、デジタルマネーの導入をきっかけに、自分が使うお金をどのような方法で「つかう・ためる・ふやす」のかを考えることになると思います。

 

さらに、上記のような内容を家族・友人などとの共通の話題になってくることも想像できます。給与を毎月複数口座に分けてますよ、という会話はほとんどしたことも聞いたこともないのではないでしょうか。しかし、その振り分けにメリットがあるとすれば、そのメリットを人に話したり、人から聞きたくなるのではないでしょうか。


 

まとめ

給与のデジタルマネー払いによってできることは、すでに様々なメディアによって取り上げられていますが、それが及ぼす影響・どのように生活が変わってくるのか?ということはなかなかイメージしづらいのではないでしょうか。

新しいルールや取り組みはいつもその背景や理由などが明確なものがあって作られていることがほとんどです。

給与のデジタル払いについては、各メディアで発信されていることもあるとは思いますが、まずはルールを作る方の(今回で言うと)官公庁の方針やリリース内容、そしてそれを踏まえた各サービス企業の取り組みをしっかりと理解することが大切であると言えるでしょう。

各省庁が一体となって推し進めているデジタル社会はどのようなものか、給与のデジタル払いによって利用企業をどの方向に導きたいのか、そして従業員を取り巻く世界がどのようになるのか、積極的に考えていきたいですね。

株式会社Payment Technology 給与事業部 部長
人材だけでなくサービス提供においても、常に「いかにリテンションできるか」を考えております。
・給与デジタル払いサービス『エニペイ』 ・給与前払いサービス『前払いできるくん』 『前払いできるくんLITE』 の事業部を担当しております。人事制度・福利厚生にお役立ちできればと思っております。

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