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退職年金制度
[タイショクネンキンセイド]

企業を退職した従業員(あるいはその遺族)に支払われる企業年金のこと。これまでの税制適格退職年金(以下、適格年金)や厚生年金基金が運用リスクに耐えられなくなり、確定拠出年金(日本版401k)や確定給付企業年金などの新しい制度に移行しつつあります。
(2004/10/15掲載)

退職年金制度のケーススタディ

777万人が加入する適格年金は<br />2012年3月末に廃止が決定

適格年金は企業が信託銀行や生命保険会社と契約を締結して運営する年金です。契約の内容が一定の要件(適格要件)に該当するものとして、国税庁長官の承認を受ける必要があります。1962年から導入されましたが、厚生年金基金と比較すると制度の自由度が高く、財政状況を見ながら内容を決められるため、とくに中小企業が積極的に導入してきました。年金給付は5年から10年の有期年金が中心ですが、一時金選択者も多いのが現状です。

また、厚生年金基金制度は66年から実施されました。企業が設立する厚生年金基金という別法人が資産運営主体となり、老齢厚生年金の一部を代行し、これに企業独自の給付(プラスアルファ部分)を上乗せする仕組みです。適格年金も厚生年金基金も、あらかじめ将来の年金給付水準を決めておく確定給付型と呼ばれるタイプの企業年金でした。

両方とも社外積立方式なので、従業員の権利保護にすぐれているだけでなく、企業にとっても掛け金の全額を損金処理できるメリットがありました。しかし近年、低金利時代が続いて運用実績が大幅に悪化、大幅な積立不足に陥る企業が相次いでいます。

そうした中、2001年3月期決算から退職給付に関する会計新基準が導入されたため、企業会計上、積立不足は企業経営にとって大きな重荷となるようになりました。そこで、従業員の受給権の保護と情報公開などを目的に、2002年4月から「確定給付企業年金法」が施行され、適格年金は2012年3月末をもって廃止されることになり、厚生年金基金も固定利率から変動利率を選べる確定給付企業年金に移行することが認められるようになりました。

社団法人信託協会などによると、厚生年金基金の資産残高は49兆9711億円(1357基金、加入者数849万人)、適格年金は20兆9767億円(5万9162件、同777万人)、確定給付企業年金が8兆700億円(312件、同135万人)となっています(2004年3月末現在)。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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