インドネシア 日系2社、ポイント制で攻める労務課題需要
人材派遣大手パソナグループ傘下で福利厚生代行のベネフィット・ワンは21日、インドネシアで伊藤忠商事との合弁で労務問題解決サービスを本格始動したと発表した。現地で従業員の定着率の低さなどが課題となる中、顧客企業の従業員がインセンティブをポイントとして貯められるサービスを展開する。
「インセンティブ・ポイント」サービスのターゲットは、現地で従業員への賞与を現金支給している金融、製薬、通信業などの各社。顧客企業から、月々の利用料と利用されたポイント数に応じた費用を徴収する。
イスラム教徒の多くが望むメッカ巡礼や日本旅行など、高ポイントを貯めることで実現できるインセンティブを充実することで、定着率の向上につなげる。向こう5年で100社に導入し、売上高を10億円に引き上げる計画だ。
ベネフィット・ワンは、2年前から中国、米国など6カ国・地域に拠点を設置し、海外展開を促進させている。2014年3月期決算は売上高が約200億円で国内が主要事業となっていたが、今後は海外に注力していく。
21日にインドネシア入りしたベネフィット・ワンの白石徳生社長は「労働人口が多い海外は今後、事業成長をけん引する」と語った。海外売上高比率を向こう5~8年で5割に高める戦略の一環として、人口が多い同国に対する期待感も示した。
インセンティブ・ポイント・サービスは、日本で顧客企業の営業マンの働く意欲(モチベーション)を高めることを主な目的として始めたが、最近は飲食業や製造業の工場など、従業員の定着率上昇を狙う職場からの引き合いが高まっているとも指摘。インドネシアでは特に定着率の低さを課題とする企業からの需要が増えると見込む。
伊藤忠インドネシア情報課の後藤雅行課長は「インドネシアでは労務問題の早期解決が課題となっている」と強調。伊藤忠グループの調達網を駆使してポイントと交換できる商品をそろえることで、企業が単独で報奨制度を実施するよりもコストを抑えることができると付け加えた。
ベネフィット・ワンの現地法人ベネフィット・ワン・インドネシアは、今年5月設立。資本金は100億ルピア(約8,800万円)で、シンガポールのアジア統括会社ベネフィット・ワン・アジアが99%を出資する。
ベネフィット・ワン・アジアには、ベネフィット・ワンが60%、伊藤忠商事が40%を出資。台湾やタイでも事業を展開している。
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(The Daily NNA労務・人事・安全ニュース http://news.nna.jp/ / 8月22日号より転載)