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「福利厚生」の注目ニュース

産労総合研究所、2014年度(第38回)教育研修費用の実態に関する調査

[2014.11.06]

人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2014年度(第38回)教育研修費用の実態調査」を実施しました。本調査は1976(昭和51)年より実施しており、今回で38回目となります。


◆調査結果のポイント

1.【教育研修費用総額と従業員1人当たりの教育研修費用】
 ・2013年度の教育研修費用総額の実績額は4,566万円で前年より220万円減少。
  2014年度予算額は5,741万円で微増。
 ・従業員1人当たりの教育研修費用の2013年度実績額は32,010円、
  2014年度予算額は40,684円で、ともに前年調査を下回った。

2.【教育研修予算の増減状況】
 ・教育研修予算が対前年度比で増加した企業が過半数(55.0%)となるなど、
  教育投資意欲は高まりつつある。
 ・予算が増加するとした企業の平均増加率は28.7%。
  一方、減少するとした企業の平均減少率は11.4%。

3.【各種教育研修の実施状況】
 ・「階層別研修」で実施率が高いものは、「新入社員研修」(93.5%)、
  「新入社員フォロー教育」(77.2%)など、新人対象のものが多い。
 ・「職種別・目的別研修」では、「OJT指導員教育」(43.9%)が最も高い。

4.【社内講師に対する手当の支給状況】
 ・社内講師が「いる」企業は74.8%、「いない」企業は25.2%で、
  前回調査(2001年度)と大きくは変わらず。
 ・社内講師に、「何らかの手当(金銭的報酬)を支給している」企業は12.6%で、
  大企業でも15.4%にとどまる。

http://www.e-sanro.net/jinji/j_research/j_research05/pr_1410-3/

 

■調査要領
【調査名】「2014年度(第38回) 教育研修費用の実態に関する調査」
【調査対象】当社会員企業から任意に抽出した2,964社
【調査時期】2014年7月
【調査方法】郵送によるアンケート調査方式
【集計対象】締切日までに回答のあった128社について集計
【留意点】調査項目ごとに無回答があるため、それを除いて集計した。
そのため、各表で集計者数は異なっていることに留意されたい。


■調査結果の概要

1 教育研修費用総額と従業員1人当たりの教育研修費用
(1)教育研修費用総額
1社当たりの教育研修費用総額は、2013年度の予算額5,410万円(前回調査なし)、同実績額4,566万円(前回調査4,786万円)、2014年度予算額5,741万円(同5,699万円)である。調査対象が異なるため前回調査との厳密な比較はできないが、実績額では220万円減少している。2013年度実績額を規模別にみると、1,000人以上企業が7,721万円、999人以下企業が1,411万円となっており、規模による差が大きい。業種別にみると、製造業4,787万円、非製造業4,394万円で、製造業が若干上回った。

(2)従業員1人当たりの教育研修費用
従業員1人当たりの教育研修費用は、2013年度の予算額38,337円(前回調査なし)、同実績額32,010円(同36,054円)、2014年度予算額40,684円(同42,462円)で、どちらも前回調査を下回った。


2 教育研修予算の増減状況
今回の調査から、前年度(2013年度)予算と当年度(2014年度)予算の
両方について聞いている。2014年度予算の対前年度の状況をみると、
予算が増加した企業は55.0%、減少した企業は34.6%、増減なしの企業は10.3%となっている。予算を上乗せした企業がいずれの区分でも過半数となるなど、教育投資意欲が
高まってきつつある傾向がみてとれる。

予算が増加すると回答した企業の平均増加率は28.7%で、増加率の分布をみると、「20~40%未満」が3割弱(27.1%)で最も多い。一方、減少するとした企業の平均減少率は11.4%で、減少率は「5%未満」(35.1%)と「5~10%未満」(29.7%)が中心と比較的小幅だった。


3 各種教育研修の実施状況
2014年度の予算で実施する予定の教育研修についてみると、階層別研修で
実施率の高いものとしては「新入社員教育」が93.5%で最多。
その他にも、「新入社員フォロー教育」77.2%、「内定者教育」57.7%など、新人対象のものが目立つ(複数回答)。

次に、職種別・目的別教育についてみると、実施率が4割を超えるものとしては、「OJT指導員教育」43.9%、「選抜型幹部候補者教育」および
「コミュニケーションスキル教育」がともに40.7%となっている(複数回答)。


4 社内講師に対する手当の支給状況
「研修内製化」の取り組みに注目が集まるなか、今回は2001年度以来13年ぶりに、社内講師に対する手当の支給状況についても調査した。
社内講師が「いる」企業は74.8%で、「いない」企業は25.2%であった。
前回調査から10年以上が経過しているが、割合は大きくは変わっていない。
社内講師が「いる」割合を規模別にみると、大企業では86.7%、中堅中小企業では64.2%となっている。
次に、社内講師手当の支給状況についてみると、「何らかの手当(金銭的報酬)を支給している」企業は12.6%で、社内講師がいる企業95社のうち12社であった。前回調査の5.6%(5社)よりは多いが、大企業でも15.4%にとどまるなど、社内講師役を担う従業員に対し、金銭的報酬によって応えようと考える企業は少数派といえる。


▼図やグラフが入ったホームページは、こちらのURLから

※本調査結果は、「企業と人材」2014年10月号に掲載しています。


(株式会社産労総合研究所 http://www.e-sanro.net/ /11月4日発表・同社プレスリリースより転載)

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