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「福利厚生」の注目ニュース

世界15カ国中、日本の職場の「ウェルビーイング」に対する満足度が最も低い~世界における職場でのウェルビーイングに関する『2016年度Edenred-Ipsos Barometer調査』結果:バークレーヴァウチャーズ

[2016.05.27]

身体的、精神的、社会的に良好な状態であることを表す職場の「ウェルビーイング」と、従業員の会社への貢献、そしてもたらされる会社の業績向上の間には相関関係があると考えられ、優秀な人材の確保や保持のためにも、ウェルビーイングへの取り組みに対する重要性が増しています。職場でのウェルビーイングについて、従業員はどのように感じ、国による違いはどのようなものなのか、またそれを向上させるにはどうすれば良いのか。仏Edenred (エデンレッド) の100%子会社で、福利厚生ソリューション「チケットレストラン (Ticket RestaurantR)」の発行代行サービスを提供する株式会社バークレーヴァウチャーズ(所在地:東京都千代田区、代表取締役:ローラン・ガシェ、以下 バークレーヴァウチャーズ)はこのたび、職場でのウェルビーイングに関する「2016年度 Edenred-Ipsos Barometer調査」の結果を発表しました。11回目となる本調査では、世界15カ国(*1)にわたって14,400人の従業員を対象に、規模を拡大して実施されました。

 

<調査概要>
・日本を含む世界15カ国、14,400人の従業員を対象に調査
・統計結果で各国を4種類のグループにプロファイリング
・従業員の10人に7人が職場でのウェルビーイングに満足
・職場でのウェルビーイングにおける満足度評価が世界平均71%に対し、日本は44%と最も低い
・職場でのウェルビーイングに最も影響する人事施策はスキル管理

 

調査の結果、「職場環境」、「上司からの配慮」、「仕事へのモチベーション」の3要素の組合せが職場でのウェルビーイングの基盤となり、各要素の評価バランスは一定ではないことがわかりました。そこで、これら三つの要素に対しての評価結果を測り、各国を四つのグループに分類しました。以下に、世界および日本の職場におけるウェルビーイングの概要を示します。

 

■職場でのウェルビーイングを測る3本の柱
Edenred-Ipsos Barometer調査では、職場でのウェルビーイングを測るために関連する10項目を特定し、以下の三つの要素にカテゴライズしました。

●職場環境: 設備、ワークライフバランス、求められている仕事内容の明確化など。仕事に満足している従業員は、特にその職場環境に居心地の良さを感じている従業員です。

●上司からの配慮: 管理者からの敬意、スキル管理など。ウェルビーイングは、管理者が従業員にどの程度注意を払っているかにも左右されます。

●仕事へのモチベーション: 朝仕事に行くのが楽しい、仕事への興味、仕事に刺激を感じる、など。日常的な従業員の感情も考慮に入れなければなりません。

調査の結果、調査対象のすべての国で、従業員は「職場環境」に関する項目に満足している率が高く(例えば、期待される仕事内容の明確化には86%が満足)、「上司からの配慮」や「仕事へのモチベーション」に関する点数が低い(職場が刺激的な環境だと感じている従業員は61%のみ)ことがわかりました。

 

■平均点は高くても国によりばらつきがある評価
調査対象の従業員の71%が職場でのウェルビーイングをポジティブに評価している中で、2カ国の結果が突出していました。インドは、従業員の10人のうちおよそ9人(88%)が職場でのウェルビーイングに満足しているという結果でした。一方日本では、満足していると回答した従業員が他の国々よりはるかに少なく、44%にすぎませんでした。アメリカ大陸の4カ国(メキシコ、アメリカ、チリ、およびブラジル)ではインドに次いで満足度が高く、ヨーロッパは高成長市場より低い結果となっています。

これらの調査結果は、各国の雇用状況や経済状況にも関係していますが、この種の調査では避けられない文化的影響にも考慮して解釈する必要があります。

 

■統計結果を4種類のグループにプロファイリング
各国を他国と比較して位置付けたり、人々の回答傾向に影響する文化的背景に配慮した統計分析に加えて、統計結果から4種類のプロファイリングで国を分類した結果が下記の通りです。

●日本、トルコ、中国、イタリア、およびポーランド:従業員の職場におけるウェルビーイングは、職場環境(設備、仕事の明確化、またはワークライフバランス)に関係する項目の点数が高いことで特徴付けられます。

●インド、メキシコ、ブラジル、チリでは、職場におけるウェルビーイングに関連するすべての項目で点数が高く、特に仕事へのモチベーション(朝仕事に行くのが嬉しい、仕事が楽しい、刺激的である、職業人としての自分の将来に自信がある)について肯定的に評価しています。

●スペイン、イギリス、アメリカ: 職場でのウェルビーイングに関する三つの柱の間でバランスがとれています。けれども、仕事へのモチベーションの欠如も特徴として見られました。

●前のグループと同じく、ベルギー、フランス、およびドイツも三つの柱の間でバランスがとれていることが特徴です。ただし従業員は、上司からの配慮の欠如(管理者による敬意、スキル管理)を感じています。

 

■職場でのウェルビーイングを推進する人事施策はスキル管理
職場でのウェルビーイング向上に最も影響する人事施策は何でしょうか。従業員は具体的に何を期待しているでしょうか。従業員のウェルビーイングに最も影響がある可能性が高い人事施策は、「スキル管理」です。スキルの伝達と更新が最も重要と考えられており、「キャリアの最終段階」の管理が続きます。スキルの伝達や更新に取り組めば、ウェルビーイングに関するマイナスの評価を改善する可能性が高く、シニア層の活用に関する施策実行はプラスの評価につながる大きな可能性があります。

現在、スキル管理は従業員が大きな関心を寄せており、自分の職場がスキルの伝達や更新について積極的な方策を持っていると答えた従業員は68%にすぎず、「キャリアの最終段階」の管理については64%です。この人事施策は、組織での労働時間の柔軟性や職場での健康推進より重視されており、さらに従業員の多様性(ダイバーシティ)や若手社員の融合(これらは”影響力”が少なく、従業員からの”期待度”も低いと考えられている)より、はるかに重視されています。例えば、自分の会社にはダイバーシティに関する積極的な施策があると回答した従業員は81%で、若手社員の融合については76%、職場での健康推進については74%になっています。

デジタル文化(協業ツール、デジタル研修など)への取り組みは、シニア層の専門分野での活用と同じく、職場でのウェルビーイングの評価を向上させる可能性のある要素です。もちろんその他の側面への対処もすべて、マイナス評価を減らすには効果的です。

 

このほか、今回の「Edenred-Ipsos Barometer調査」では各国を次の2種類に分類しました。
●チリ、フランス、イギリス、ベルギー、ポーランドは、ダイバーシティや若手社員の融合について有益で広く認められた施策を備えていますが、シニア層の活用およびスキル開発をあまり重視していません。

●一方、ダイバーシティや若手社員の融合は重視していないけれども、スキル開発やシニア層の活用について、積極的な施策を持つ国として、中国、インド、メキシコ、アメリカ、ドイツ、イタリア、およびスペインが挙げられます。日本は、職場での健康推進に関する施策導入について、平均以上の点数であることが注目に値します。スキル管理については中国、「キャリアの最終段階」管理についてはドイツが、平均より勝っています。

 

■日本における職場のウェルビーイングと福利厚生への評価
今回の調査は、初めて日本の従業員も対象に実施されました。前述のとおり、ウェルビーイングにおける日本の従業員の満足度は44%と、世界各国との比較で最も低い評価結果でした。その10項目の回答を見ると、とくに「仕事へのモチベーション」に関する要素が低く、会社や組織に対する将来の不安を持つ回答者が72%(世界平均35%)、朝仕事に行くのが楽しく感じられない回答者が70%(世界平均33%)、職場が刺激的な環境ではないと考えている回答者が67%(世界平均39%)という結果となっています。その一方で、仕事内容の明確化、設備、ワークライフバランスなどの「職場環境」に対する4項目が上位を占めています(図2参照)。この結果から、仕事に関するサポート支援は会社・組織から行なわれているものの、従業員が職場で楽しく働きがいが感じられる付加価値提供といった施策が遅れていることが読み取れます。

ウェルビーイングの向上を支援する会社の福利厚生プログラムについての満足度の調査では、「健康診断」、「交通/通勤費支給」に続き、「昼食/食事支援」が上位に入っています(図3参照)。年齢別にみると、トップ3の福利厚生に対しての評価はどの世代でも高いものの、45歳以上の従業員では、「スポーツや文化的アクティビティ支援」に対する評価が他の年齢層に比べて高く、一方で30歳未満の若い世代では「保険・銀行サービスの割引」や「住宅支援」、「子育て支援」における評価が高くなっています。時間や金銭的な余裕や生活ニーズの違いが、福利厚生プログラムに対する評価の高さに表れていると考えられます。

また、「昼食/食事支援」や「スポーツや文化的アクティビティ支援」などの福利厚生は、現状で取り入れている割合がそれぞれ21%そして15%と依然低く、従業員の会社への満足度を高める要素として、こうしたプログラムの採用を考えることも一つの人事施策となると考えられます。

 

今回の調査にあたり、バークレーヴァウチャーズの代表取締役のローラン・ガシェは、次のように述べています。「昨今の少子高齢化が進み労働人口が減少する中で、日本の企業にとって優秀な人材を確保し維持することが重要課題の一つとなっており、その人事施策の一環として、福利厚生に対する関心がここ数年で大変高まってきた感があります。一方で、今回の『2016年度Edenred-Ipsos Barometer 調査』によると、各国と比較すると日本の従業員は職場でのウェルビーイングに関して、著しく低いレベルを体験していることがわかりました。弊社では、雇用主の皆様がどれだけ社員の皆様をケアし、ウェルビーイングの向上に取り組んでいるかを示していくことで、この深刻な人材問題を解決していけるものと信じております。今後もバークレーヴァウチャーズは、価値が高く、利便性のある福利厚生を提供することで、雇用者、従業員双方の皆様を支援していきたいと考えています。」

*1) 日本、ベルギー、ブラジル、チリ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、メキシコ、ポーランド、スペイン、トルコ、イギリスおよびアメリカ
*2) 日本の回答者数は803人

 

Edenred-Ipsos Barometer調査について:
福利厚生市場のワールドリーダーである Edenred は、50年以上前から社会動向を知るための多様なツールの開発に取り組んでいます。2016年1月、同社は第11回「Edenred-Ipsos Barometer」を実施し、ヨーロッパにおける従業員の満足度とやりがいについて詳しく調査しました。日本、ベルギー、ブラジル、チリ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、メキシコ、ポーランド、スペイン、トルコ、イギリスおよびアメリカの15カ国において、合計 14,400人の従業員を対象に実施されました。第1回の実施以来、これまでに10万人以上の従業員がオンラインでの調査に参加しています。

 

【本件に関する報道関係者のお問合せ先】
株式会社バークレーヴァウチャーズ
マーケティング&コミュニケーション部
明石 みき
TEL: 03-3233-8121 Email: erjp-pr@edenred.com

ホフマン ジャパン株式会社
バークレーヴァウチャーズ広報担当
伊藤 麻未・田中 聡子
TEL: 03-5159-5750 Email: TicketRestaurant@hoffman.com

 

◆本リリースについては、こちら(PDF)をご覧ください。

(株式会社バークレーヴァウチャーズ http://www.edenred.jp/ / 5月27日発表・同社プレスリリースより転載)

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