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転進支援制度
[テンシンシエンセイド]

従業員の多様なライフプランに対応して、その転職や独立を支援する制度のことです。65歳までの雇用を継続できない企業が、従業員のセカンドキャリアを支援するために設けているケースも少なくないようです。

転進支援制度のケーススタディ

大企業の約6割が早期退職優遇制度、<br />約3割が転職支援あっせん制度を実施

この制度は退職者を支援するための「福利厚生施策」である半面、中高年従業員の増加に伴う人件費負担を、転進支援によって軽減しようとする「リストラ施策」としての側面もあわせ持っています。バブル崩壊後、比較的社歴の長い大手企業を中心に急速に普及してきましたが、それは裏を返せば、高賃金の中高年従業員を支えきれなくなった企業の経営実態が浮き彫りになっているとも言えるでしょう。

転進支援の代表例として最も知られているのが「早期退職優遇制度」です。定年前に自発的に退職する従業員に対して、通常の自己都合退職よりも優遇した条件を与える制度で、退職金を割増したり、準備休暇を付与したりするのが一般的です。転職先をあっせんしたり、転職準備のための教育などを実施したりする「転職援助あっせん制度」も普及してきました。転職支援を行う専門部署を設けて新たな転職先を開拓したり、外部業者に委託して転職を支援したりしているところもあります。

独立のために退社し、新たな事業を立ち上げる従業員に、資金援助や事業協力、業務提携などを行う「独立開業支援制度」を実施している企業も増えてきました。フランチャイズ契約を締結するなどして独立を支援するケースが多いようです。最近では転進支援の適用年齢を40歳未満にまで拡大していく傾向が見られますが、これは終身雇用制の崩壊による雇用の流動化に対応したものとも言えるでしょう。

厚生労働省の「雇用管理調査」(2003年)によると、いずれの制度とも大企業ほど実施割合が高く、5000人以上規模の企業では57.3%が早期退職優遇制度を、26.3%が転職支援あっせん制度を、18%が独立開業支援制度を実施しています。ただ前述したように転進支援制度はリストラ施策と認識されやすいため、拙速な導入は労働組合などの反発を招くこともあります。制度設計や導入にあたっては、目的や従業員のニーズを十分に考慮したうえで取り組むことが大切です。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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