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ファミリーデー
[ファミリーデー]

「ファミリーデー」とは、企業のワーク・ライフ・バランス推進の一環として、会社が従業員の家族の職場訪問を受け入れる取り組みのこと。日々従業員を支える家族に職場への理解を深めてもらうとともに、従業員も同僚の家族との交流を通じて、それぞれに大切な家庭があるという事実を組織全体で再認識する機会とします。家族を尊重し、家族からも尊重される、働きやすい職場の雰囲気づくりを促すのがファミリーデーの目的です。

ファミリーデーのケーススタディ

家族を職場に“招待”する企業が急増
東京都は実施企業に抽選で奨励金も

従業員が職場で能力を最大限に発揮するためには、本人の健康や職場環境だけでなく、家族からの理解とサポートが不可欠であり、それを得るためには従業員の家族にも会社や仕事をPRし、正しく知ってもらう必要があります。

2010年に本社を移転したカルビーでは、その新オフィスがテレビ番組で紹介されたのをきっかけに、社員から「家族にも職場を見てもらいたい」という要望が多数寄せられました。これを受けて、トップが従業員の家族をオフィスに招待することを発案。社内に立ち上げられたプロジェクト事務局の主導で、同年11月23日の勤労感謝の日に第1回カルビーファミリーデーを実施しました。初回には38家族、約130名が参加。スタンプラリー形式のオフィスツアーや○×クイズなど事務局が準備した企画で大いに盛り上がったそうです。

マイクロソフトもカルビーと同様、2011年の本社オフィスの移転をきっかけに、家族へのお披露目の意味もこめてファミリーデーを初めて実施したところ、社員やその家族に大好評で、今年も8月20日に第2回を開催しました。当時放映中だったテレビドラマの撮影に同社のオフィスが使われていたという話題性もあり、参加者は初回よりも3割増。351家族832名が先進的なオフィスを見学して回り、さまざまなイベントやアトラクションを楽しみました。他にもNTTドコモやソフトバンク、日立ソリューションズ、ノバルティス ファーマなど、同様の取り組みを行う企業が増えていますが、各社とも自社の仕事内容やその意義などを、従業員の家族に楽しみながら理解してもらえるよう、企画に工夫を凝らしているのが特徴です。

自治体もこの動きに注目しています。東京都は、生活と仕事のあり方について考え、実践する「東京しごとの日」を設定。2012年は8月3日とし、この日に自社でファミリーデーを開催する企業を募集しました(※実施企業の登録は終了)。応募は、都内に本社や事業所がある企業が対象で、参加した企業は、企業名や取り組みの内容が都のホームページに掲載されるなど、広く公表されます。また所定の条件を満たす中小企業のうち、抽選で50社に、ファミリーデー開催後、20万円の奨励金が支給されます。

昨年までに実施した企業の従業員の家族からは「行く先々で会社の方に親切にしてもらい子供は大喜び、親も大満足です。父親の職場を見て子供も今までとは異なった目で父親と接すると思いました」といった声を聞くことができたそうです。また、従業員からも「お金をもらうということがどれだけ大変なのか、子どもに知ってもらえて嬉しく思いました」などの声が寄せられています(東京都ホームページより)。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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