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労働時間貯蓄制度
[ロウドウジカンチョチクセイド]

「労働時間貯蓄制度」とは、主にドイツなどで導入・実施されている労働時間モデルの一つで、職場で定めた契約上の労働時間と実労働時間の差、すなわち残業や休日出勤など所定外の労働時間をあたかも銀行預金のように勤務先の口座に積み立て、後日、従業員が有給休暇などに振り替えて利用できるしくみのことです。労働需要の短期的な変動にも、従業員の増減やコストの上昇なしに対応できる自由度の高さが評価され、1990年代後半からドイツの製造業や金融業を中心に普及し始めました。
(2016/11/30掲載)

労働時間貯蓄制度のケーススタディ

ドイツの先進職場では残業時間を“貯めて休む”
メリハリのある働き方で生産性は日本の1.5倍

ドイツの労働時間が、先進国の中でも最も低い水準にあることは周知の事実でしょう。1995年に導入された金属産業の「週35時間労働」ルールは、同国における時短の象徴といわれます。日本も、88年の改正労働基準法の施行を機に、労働時間を着実に減らしてきましたが、経済協力開発機構(OECD)の調べによると、2014年の一人当たり平均年間総実労働時間は、日本が1729時間であったのに対し、ドイツは1371時間。依然350時間以上の差があります。にもかかわらず、ドイツの職場における労働時間1時間当たりの生産性は60.2ドルと、日本(41.3ドル)のほぼ1.5倍の高さに達しているのです。

その大きな要因の一つに、ドイツではすでに時間の長短だけを目安にした従来の均一な労働時間モデルが過去のものとなり、“より短い”モデルから“より柔軟な”モデルへ、転換が進んでいることが挙げられます。つまり、ここぞという時期には残業もいとわず、とことん働いて成果を挙げ、その分しっかりと休息を取る――メリハリの利いた働き方が各職場に定着しているわけです。

このような働き方を可能にしているのが「労働時間貯蓄制度」の普及です。職場で定めた労働時間と残業時間を含め実際に働いた時間との差を、個々の従業員がワーキング・タイム・アカウント(労働時間貯蓄口座)と呼ばれる社内口座に積み立てるしくみで、制度利用者は、残業手当を受け取る代わりに、貯蓄した所定外労働時間を有給休暇などに振り替え、繁忙期を避けて休みをとります。育児や介護のほか、資格取得のための勉強やサバティカル(長期休暇)に充てる人も珍しくありません。口座に積み立てられる時間数の上限や休暇に振り替えられる清算期間などは、勤務先や雇用契約の内容によって異なりますが、ドイツでは従業員250人以上の事業所の約8割に普及。最近は、デンマークなどにも広がっているといいます。

とはいえ、いくら労働時間を積み立てて、有休を取る権利を得ても、それが実際に使えなければ働き損。“サービス残業”と変わりありません。そうならないためには、管理職が自ら率先して柔軟な働き方を実践したり、フレックスタイムや在宅勤務を全員が気兼ねなく使えるようにするなど、時間と場所にしばられない職場環境づくりが重要になってくるでしょう。働き方の柔軟性を高める「労働時間貯蓄制度」は、とかく時短に偏りがちな日本の働き方改革の議論に一石を投じるかもしれません。

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