豊富な直営施設を活用し、会員サイドに立ったサービスを提供
リゾートソリューション株式会社は、「ライフサポート倶楽部」を中心とした福利厚生アウトソーシングサービスを提供している。会員数は約270万人、契約法人数は2000社強。特徴は約90施設、約2500室(2010年12月現在)もの多くの直営施設を抱えている点で、旅館、ホテル、ゴルフ場、保養所などバリエーションも豊富だ。自社で部屋管理を行うため予約率が高く、また、会員ニーズに合ったきめ細やかなプランづくりも可能。今回は、多くの直営施設を持つ強みを活かしたサービスの特徴や今後の方向性などについて、仮屋毅取締役に話を聞いた。
仮屋 毅(かりやたかし)
昭和55年4月:三井不動産株式会社入社
平成19年4月:第一園芸株式会社取締役
平成21年6月:第一園芸株式会社常務取締役
平成22年4月:リゾートソリューション株式会社 執行役員(福利厚生事業部長ほか)
平成22年6月:リゾートソリューション株式会社 取締役執行役員(福利厚生事業部長ほか)
平成22年7月:リゾートソリューション株式会社 取締役常務執行役員
直営施設による自由度の高いサービスでニーズをつかむ
---御社では数多くの直営施設を運営されていますが、そのことによって、会員にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
当社はもともとホテルやゴルフ場の運営、リゾート会員事業を行っていましたが、企業からの要望もあり、それらの施設を使った企業向けの福利厚生代行の事業をスタートさせました。
そのため、アウトソーシングサービスの「ライフサポート倶楽部」は、直営施設を多く使える点が特徴で、現在約90施設、約2500室もの施設が利用できます。種類も旅館、ホテル、ゴルフ場、保養所、別荘とさまざまで、中には東京ドーム100個分の広さを誇る、千葉県房総の「生命の森リゾート」といった大型の複合施設もあります。また、直営施設の中には、運営の手腕を見込まれて、企業から保養所などの不動産運営を委託されているものもあります。
直営施設を多く持つことのメリットは、大きく分けて三つあります。まず一つは、他で流通していない施設をご提供できること。二つ目は、自社で宿泊施設の部屋を確保し、予約オペレーションも行っているので、スムーズに部屋をご提供できること。三つ目は、ニーズに合わせて柔軟に対応できること。企業ごとに特別料金を設定することができますし、会員ニーズや施設の特徴に合わせて利用プランを提供することも容易です。
現在の「ライフサポート倶楽部」会員は約270万人、契約法人数は2000社強ですが、メニュー別の利用率を見ると「リゾート&トラベル」が6~7割を占めており、会員の皆さまには、直営施設のメリットを多く感じていただいているのではないかと考えています。
2ヵ月で600万人分の告知を行う利用促進の専門部隊
---直営施設を抱えているため、利用促進のためにさまざまな努力をされているそうですね。
営業部隊とは別に、利用促進を図る専属の「メンバーズコミュニケーション部」を設置し、会員向けにイントラネット、モバイル、DM、チラシ、メルマガなどあらゆる手段を使ってサービスの広報を行っています。最近の実績では、2010年10~11月の2ヵ月間で、のべ約600万人の会員に対して告知を行っています。
また、ご案内する内容も、企業の特徴に合わせて選別しています。例えば、女性の従業員が多い企業にはエステやグルメプラン、男性が多い企業には温泉の宴会プランをおすすめするといった具合に、対象企業により喜んでいただけるプランをご案内しています。
---季節ごと、施設ごとにさまざまなプランが提供されていますが、どのように企画されているのでしょうか。
宿泊やリゾートのプランは、直営施設の場合、施設運営側のスタッフもアイデアを出します。そして、メンバーズコミュニケーション部と打ち合わせを行い、旬のもの、要望の高いもの、ターゲットに合わせたものなどを企画しています。
例えば、最近のヒット企画としては、ホテルのプライベートビーチを使った「地引き網大会」があります。参加者が網を引き、上がった魚が食べられる企画ですが、家族連れに大変人気でした。ほかには、企業側からご要望があって企画した、ゴルフ場を使った「ゴルフ婚活」のプランは、順番待ちとなるほどの人気です。最近は大型施設を使って社内運動会を開きたいという要望も出てきており、昔のようなイベントによる社内コミュニケーションのニーズも増えていくと予想しています。
従業員の心身の健康維持のため、健全なオフタイムを提供
---これからの福利厚生のアウトソーシングサービスは、どのような方向に向かうとお考えでしょうか。
今は、福利厚生に対する企業のコスト負担の考え方が揺らいでいるように感じます。労働マーケットは買い手市場が続き、社会保障も行き詰まりの感があり、企業としては限られた福利厚生の原資をどこに向けるべきか、ゼロベースで考え直しているところではないでしょうか。
このような状況の中で、明確な課題といえるのはワークライフバランスを福利厚生にどう取り込むかということです。今は育児、介護に焦点が当たっていますが、福利厚生の施策としては、これまでの総花的なものから、本当に必要なものを選別して利用する時期に入ってきたのではないかと感じています。
---御社では、今後どのような分野に注力したいとお考えでしょうか。
企業にとっては人材こそが財産ですから、これからは原点に立ち返って従業員の心身の健康をサポートしていくことが求められます。国の福利厚生施策等から今後有給休暇の取得拡大が見込まれる中、当社は会員の皆さまに生きがいや趣味を持った充実したオフタイムを提供していきたいと考えています。そのために、厚生労働省認定の健康増進施設「生命の森リゾート」をはじめとする当社の直営施設や、会員間の親睦・交流を目的とした各種イベント及びリゾートプランをどんどん活用していただければと思っています。また、これからは企業の組織そのものも多様化していくと思いますので、それらのニーズにできる限り柔軟に応えられるような体制へと進化していきたいと考えています。
---直営施設を運営し、サービスを提供するメリットや、今後のサービス提供における方向性が理解できました。本日はありがとうございました。
企業データ
社名 | リゾートソリューション株式会社 |
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本社所在地 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-24-1 |
事業内容 |
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設立 | 昭和6年2月27日 |
代表者名 | 代表取締役 多賀 道正 |