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インタビュー
株式会社イーウェル・小室明義取締役に聞く

すべてがヒアリングから始まる「福利厚生コンサルティング」

株式会社イーウェルは2000年に設立され、パッケージメニュー「WELBOX」、カフェテリア運用をメーンとした福利厚生アウトソーシングサービスを提供している。全体での受託実績人数は約303万人、契約団体数は1172社。中でも、カフェテリア運用は約72万人、397団体と高い実績を誇る。また、財形貯蓄などのBPOサービス運用、健康支援サービスも含めたトータル提案が多い点も特徴だ。今回は、アウトソーシングの受託に際してどのようにコンサルティングを行っているのか、また、今後注力していくサービスは何か、小室明義取締役に話を聞いた。

プロフィール

株式会社イーウェル・小室明義取締役

小室 明義(こむろあきよし)

1963年6月7日生まれ。東急不動産(株)、東急電鉄(株)(出向)にてビル開発、再開発事業・リゾート開発、運営に携わる。新規事業として福利厚生サービス業界への参入を検討し、自ら企画・立上げを担当。 2000年 株式会社イーウェル設立と同時に取締役就任。 現在は常務取締役。
多様化するライフスタイルの変化に対し、従来の「福利厚生」の枠を超え、社会を変えていくイノベーティブなサービスの実現を目指す。


ニーズに合ったサービスをトータルで提案

---福利厚生アウトソーシングの受託までに、企業から意見や提案を求められることも多いと思いますが、どのようなコンサルティングを行われていますか。

株式会社イーウェル・小室明義取締役当社は、特にカフェテリアプランの運用実績が多いことが特徴なのですが、企業の皆さまからは採用理由として、コンサルティング力に期待していたという声をよく聞きました。福利厚生制度の再構築の中にカフェテリアプランという選択肢があり、そこには企業の意志や要望に沿った形でのカスタマイズが不可欠です。

通常、カフェテリアプランを導入される場合は、既に導入が決定し、その後どのような形、システムにするかといった提案コンペになるケースが多くあります。そこで、これまでの福利厚生メニューは何か、これから作りたいメニューは何か、その原資や運用はどうするか、システムはどうなるのかなど、徹底したヒアリングを行うのです。

十分なヒアリングを経た後、複数のサービスを組み合わせて、例えば「このサービスでコストを下げて、こちらの拡充したいサービスに充てます」といった具合に、コストコントロールをしながらトータルに提案します。最近は福利厚生の予算がなかなか増えませんから、このような提案は非常に有効なのです。

---トータルなアウトソーシングを提案する場合には、新たにどのようなサービスが加わっていくのでしょうか。

当社は、社内にシステム部隊を抱えているので、細やかなシステム対応が可能ですし、創業当初より、個別メニューに補助金が積める補助金制度、預り金から使った分だけを精算する精算システムを採用していますので、制度設計でもより意向を反映させやすく、精算面でもムダのない利用が可能です。

それに加えて、財形貯蓄や持株会などのBPOサービス運用や、人間ドッグや健康診断などの健康支援サービスなどもすでに広く行っていますので、これらすべてのツールを活かしながら、全社を上げてコンサルティングすることが可能です。

当社の福利厚生における営業は、サービスの幅広さやその深掘り具合に自信を持っていますので、常に企業のニーズを聞いてからご提案する形を取っています。コンサルティングしたうえでのご提案は、どの企業からも非常に歓迎していただいています。

企業の人事部同士が交流できる場を提供

---人事部との関係づくりとして、どのような施策を行っていますか。

株式会社イーウェル・小室明義取締役まず、導入企業の皆さま向けに、営業部隊とは別にサービスの利用状況をチェックし、利用促進を図るCS推進部という専任部隊を設置しています。例えば、サービスの利用率が落ちている企業があれば、CS推進部のスタッフが伺って、利用促進策を提案しています。また、従業員向けに当社のサービスについてアンケートを実施し、ご意見や感想をうかがう代行サービスも行っています。

また、導入・未導入を問わず、企業の人事担当者同士が交流できる場としてセミナーやフォーラム、勉強会を随時開催しています。内容は、大学教授などの識者や企業の人事担当者を招いて、人事周辺の課題やアウトソーシング事例などについて話を聞いたり、人事担当者同士で交流したりするものです。また、健康支援サービスにおいても、健康をテーマにしたセミナーを随時開催。これらのイベントは大変ご好評をいただいています。

今後はサイトやガイドブックによる情報提供を強化

---―今後のサービスや事業においては、どのような展開を考えていらっしゃいますか。

2010年9月にホームページをリニューアルしましたが、今後はユーザビリティを高めて、利用を増やしていくことが、一つの目標です。

もう1つ力を入れているのは、いま困っている人に対する有益な支援情報の提供です。2009年、月間40万人が利用する「はっぴーママ」という出産・育児の総合コミュニティサイトを買収し、福利厚生サイトの育児コーナーとの情報連携を行いました。その結果、商品情報に並行して、リアルで役立つ情報を掲載することができました。こうしたオープンなサイトの情報量は圧倒的であり、利用者のお役にも立ちます。

今後は同様の形で、介護や健康といったライフサポート分野における情報提供のページもつくっていきたいと思っています。

---旅行・宿泊から日常生活のサポートまで、ありとあらゆるメニューがラインナップされていますが、情報提供の面ではどのように工夫されていますか?

当社は福利厚生のアウトソーサーですから、その視点でセレクトした商品やサービスをガイドブックに掲載していきたいですし、そのような選別の目を持っていることを企業・従業員の皆さまにも認めていただきたいですね。

そのため、ガイドブックには商品情報だけでなく、読者のためになり、アドバイスとなるような読み物的な情報も並行して載せています。もちろんホームページも同様です。おそらく、今後の福利厚生のアウトソーシングサービスは、よりONE TO ONEへと進化するのではないでしょうか。アクセスしただけで、一人ひとりにぴったりの情報が簡単に得られるサービス。それに近づくことがこれからの課題だと思っています。

---コンサルティングの姿勢や、人事部との関係づくりにおけるスタンスについて、理解できました。本日はありがとうございました。

株式会社イーウェル・小室明義取締役

企業データ

社名 株式会社イーウェル
本社所在地 〒102-0094
東京都千代田区紀尾井町3番6号 紀尾井町パークビル
事業内容
  1. 福利厚生パッケージメニューサービス『WELBOX』
  2. カフェテリアプラン運用サービス
  3. 健康支援サービス
  4. 福利厚生BPOサービス
  5. 保養所運営代行サービス「リフレッツ」
設立 2000年10月2日
代表者名 代表取締役社長 稲葉 章司

会社情報 サービス情報 導入事例

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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