オフィスポ
[オフィスポ]
「オフィスポ」とは、オフィスで簡単な運動や体操、スポーツをして気分転換をはかり、健康増進や仕事の効率向上につなげようとする取り組みのことで、文部科学省の委託事業「若者のスポーツ参加機会拡充を通じた地域コミュニティ活性化促進事業」の一環として始められたプロジェクトです。日頃スポーツに親しむ機会の少ない20代・30代の若い世代を対象に、公益財団法人日本レクリエーション協会と地域のレクリエーション協会が中心となって、昼休みなど職場の“すきま時間”を活用するスポーツ・レクリエーション習慣の普及・定着に努めています。
オフィスポのケーススタディ
すきま時間を活用して手軽にリフレッシュ!
職場でのスポーツ習慣を健康経営の新機軸に
文科省が発表した2013年「体力・スポーツに関する世論調査」によると、20代・30代のスポーツ実施率はそれぞれ37.9%、36.3%で、成人の平均47.5%に比べ10ポイント程度低い率にとどまりました。若い世代はなぜ、他の世代よりも運動やスポーツに親しんでいないのか。とくに20代、30代の働く人たちが、阻害要因として最も多く上げるのが「時間がないから」だといいます。
社会の急速な高齢化を乗り越えていくためにも、若い世代が自分たちの生活にスポーツ習慣をうまく取り入れ、健康で活力あふれるライフスタイルを確立することが重要になるのは言うまでもありません。そこで立ち上げられたのが、企業に勤める20代・30代の男女を対象に、昼休みなどの職場の“すきま時間”を活用して気軽にスポーツに親しんでもらう機会を提供する「オフィスポ」プロジェクトです。文科省が日本レクリエーション協会に委託し、実施された13年度「若者のスポーツ参加機会拡充を通じた地域コミュニティ活性化促進事業」のモデル事業の一つで、以後も地域のレクリエーション協会などを中心に「オフィスポ」の普及・定着が推奨されています。
大阪府レクリエーション協会は株式会社クボタの協力を得て、オフィスポの啓発事業を実施。同社の食堂近くに場所を設け、昼休みの30分間に手軽なストレッチから輪投げ、ペタング、カーリンコン、けん玉などの競技を楽しむイベントを計8回(8日)開催しました。実施前には、運営スタッフを担う同社の人事部員たちが実施種目を一足先に体験。運営スタッフ自らスポーツの楽しさを実感したことが、社内での事前告知や当日の誘引において効果的に働いたといいます。参加した社員たちからは、オフィスポプロジェクトを通じて「体を動かすことの楽しさと必要性を感じた」との反応が多く寄せられ、同社ではその後、新入社員研修のカリキュラムへの導入が検討されるなど、派生的な展開も見られました。
また、休み時間にかぎらず業務中でも、椅子の代わりにバランスボールに座って会議を行う企業が現れたり、姿勢を正しての早歩きなど通勤中にも取り組める運動として「通勤スポ」が提唱されたりと、オフィスから体を動かす習慣を身につける「オフィスポ」の取り組みは、業種を超えて確実に広がり始めています。ストレスチェックの開始を機に、健康経営に欠かせないツールとなるか、おおいに注目されるところです。